江戸時代の食生活ってどんなの?庶民や武士の自宅の献立や外食事情調べてみた

江戸時代の食生活ってどんなの?

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江戸時代の人たちはどんなご飯を食べていたのか、ドラマや映画の時代劇を見てなんとなく想像はしているけど、実際にはどんな献立だったのかが気になるところ!

ちゃんと3食食べていたのか、庶民と武士、大名ではやっぱり食事の内容は違っていたのかなど、今回はそんな江戸時代の人たちの食生活について詳しく紹介していくよ!

江戸時代の人たちが食べていた献立を知り、自身の食生活の見直しをするのもアリかも?

江戸時代は1日に何食食べていた?

江戸時代は1日に何食食べていた?

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現代では、たまに朝食を抜く人はいるけど、基本は「1日3食」だよね。

では江戸時代の人はどうだったのかというと、江戸時代の初期には「1日2食」が基本だったんだって。

でも江戸時代中期ごろになると、1日3食という食生活が定着していったそうだよ。

食生活が1日3食になった経緯には、夜まで過ごすことができる「明かり」が普及したことも関係があるんだとか。

当時、庶民の間では夜の間に使う明かりに「行灯(あんどん)」を使用していたけど、行灯に魚の脂を使っていたので、とても臭い上に部屋の中まで煤けてしまうので、庶民は暗くなる前に寝てしまうという生活だったそうだよ。

しかし、時代とともに高級だった「菜種油」が安く手に入るようになり、菜種油で行灯を灯すようになってからは、夜も起きて生活できるようになり、夜ご飯も食べないとお腹がすいてしまうことから、1日に3食食べるスタイルが定着したんだとか。

夜に明かりがある生活は今では当然だと思ってしまうけど、江戸時代の人たちにとっては、夜はとても暗くて不便な生活だったんだろうね~。

江戸時代の武士や庶民、農民のご飯はどんなもの?

江戸時代の武士や庶民、農民のご飯はどんなもの?

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では、実際に江戸時代の人たちは、毎日どんなご飯を食べていたんだろう?

江戸時代の庶民と武士では食事内容が違っていたのか、また武士と大名にも差があったのか、確認してみよう!

庶民の食生活

江戸時代の人は「白いご飯が食べられない」というイメージがあるよね!

確かに江戸時代の初期まではなかなか白米が食べられなかったものの、中期には徳川吉宗の政策によってお米の収穫量が増え、一般庶民にも白米が一般的に流通するようになったんだとか。

だから、江戸時代の庶民は白米をとってもたくさん食べていたけど、おかずは質素なもので、「お味噌汁」に「お漬物」というシンプルなものだったそうだよ。

江戸時代の中期ごろになると、しょう油やみりん、お砂糖などの調味料が庶民の手に入りやすくなり、野菜や豆などを煮炊きしたおかずが食卓に上がるようになったんだとか。

また、お魚は当時は高級品だったので、庶民の食卓にはなかなか出されなかったけど、少し裕福な家庭ではたまにお魚を食べていたようだよ。

農民の食生活

江戸時代の庶民は白米をたくさん食べていたけど、農民は自分たちが作ったお米を年貢として納める必要があったので、少しの白米に粟(あわ)や稗(ひえ)を混ぜて食べることが多かったそうだよ。

おかずがつくことはなく、庶民よりもさらに質素な食生活で、あわやひえで作ったおもちや、野菜などを入れた雑炊、小麦粉で作ったお団子だけを食べていたんだとか。

白いお米をたくさん食べていた庶民と比べると、かなり貧しい食生活だったことが分かるよね。

武士の食生活

武士は庶民よりも贅沢な暮らしができていると思われがちだけど、実は下級武士の食生活は庶民とそれほど変わりがなく、野菜の煮物などが少し増える程度だったんだそうだよ。

白米に味噌汁、お芋や野菜の煮物、漬物といった献立が定番のメニュー。

下級武士はお魚も月に数回程度しか食べられなかったそうだけど、上級武士になると魚が食卓に上がる機会が増えて、少し豪華な食卓になったみたい。

同じ武士でも、地位によって食べられるおかずが違うって聞くと、ちょっと切なくなるよね~。

大名の食生活

一般的な武士とは大きく階級に差がある大名が食べていたおかずも気になるところ。

やっぱり大名ともなると毎食にお魚がつく贅沢な献立!

お魚も鯛や平目なんていう高級なものがつく上に、お野菜の煮物や、卵料理までつくこともあるんだとか。

さらに、夜には豪華なおかずにあわせてちょっとお酒も飲んでみたりと、至れり尽くせり!

出世すると贅沢な暮らしができるっていうのは、ちょっと現代とも共通するところはあるよね~。

江戸の物売りからどんな食材が買えたの?

江戸の物売りからどんな食材が買えたの?

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江戸時代には色んな食材が庶民にも手に入るようになっていたけど、どんなところで買っていたのかも気になるよね!

お米は米屋さん、野菜は八百屋さんが江戸時代にもあったので、それらの店頭で買うか、または、歩きながら天秤棒を担いで色んなものを売っている行商の「物売り」から食材を買うこともできたそうだよ。

物売りの姿は、時代劇などでも見たことがある人も多いんじゃない?

特にお魚は、物売りから買うことが多かったそうだよ。

物売りはその他には、野菜や豆腐、納豆、漬物、お味噌、しょう油、しじみなども売りにきていたそうだよ。

あとは、煮豆やお芋の煮ころがしなど、すでに調理されたお惣菜や、天ぷら、うなぎの蒲焼きなどの料理も物売りから買うことができたんだって。

江戸時代の人も現代と同じで「今日は作るの面倒だし物売りから買うか~」なんて言ってたのかもしれないね!

物売りは食材だけでなく、薬や金魚、風鈴、お花などの日用品や、なんと箪笥などの家具まで売りに来ていたそうだよ~。

江戸時代の人にとって物売りは、生活に欠かせない存在だったんだね。

江戸後期に発行されていた「おかず番付」が面白い!

江戸後期に発行されていた「おかず番付」が面白い!

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江戸時代の後期に、江戸の庶民たちが好んで食べていたおかずが、相撲の番付のようにして面白くまとめられた「おかず番付」というものが発行されていたんだって!

これは正式には「日々徳用倹約料理角力取組」と呼ばれるもので、東北大学附属図書館の会報「木這子」に翻刻されたものが掲載されていたので、こちらを参考に紹介していくよ!


魚類方 精進方
大関 めざしいわし 大関 八杯豆腐
関脇 むきみ切干し 関脇 昆布油揚げ
小結 芝えびからいり 小結 きんぴらごぼう
前頭一 まぐろから汁 前頭一 煮豆
前頭二 小はだ大根 前頭二 焼き豆腐
前頭三 たたみいわし 前頭三 ひじき白和え
前頭四 いわし塩焼き 前頭四 切干し煮付け
前頭五 まぐろ刺身 前頭五 芋がら油揚げ
前頭六 塩かつお 前頭六 油揚げつけ焼き
前頭七 にしん塩引き 前頭七 小松菜浸しもの

おかずは、魚類と野菜類で分けられて番付がつけられていることが分かるよね!

気になるのが、精進方の大関にある「八杯豆腐」と呼ばれるもの。

これは、長細く切ったお豆腐を、しょう油一杯、酒一杯、だし汁六杯で煮たもののことなんだって。
だし汁と調味料を合わせて八杯なので、八杯豆腐と言われたらしい。

なんだかさっぱりして、美味しそうだよね~。

ちなみに、こちらの番付には行司は「沢庵漬け」「梅干し」、世話役が「でんぶ」「ざぜん豆」などと書かれていて、当時の人はユーモアもあって、この番付をとても楽しそうに作っているのが分かるよね!

東西の番付を制覇してみる?

江戸時代でも外食はできた?

江戸時代でも外食はできた?

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江戸時代の中期になると、自宅で料理を作ったり、天秤で売りに来る物売りから買ったりする以外にも、屋台やお店などで出された料理を食べる「外食」文化が広まっていったよ!

主にどんな料理を「外食」で食べられたのか、確認していこう!

そば屋

時代劇や落語でもよく話にでてくるのが「そば屋」さん。

おそばは江戸時代の庶民の間でも特に人気があったんだそうだよ!

江戸時代のおそば屋さんは主に屋台のお店が多くて、しっかりとした作りの屋台だけでなく、片手で担げる「担ぎ屋台」も人気があったよ。

暖かいお出汁に入ったおそばは「かけ」、せいろに入ったおそばをつゆにつけて食べるおそばは「もり」と呼ばれていて、今の呼び方と共通点もあるね!

天ぷら屋

天ぷらは江戸時代の初期には高級品だったけど、中期以降には庶民の食べ物として広まって、江戸ではおそば、お寿司に並んで人気の料理だったそうだよ!

江戸では魚の衣上げのことを「天ぷら」と呼んでいて、えびや穴子、貝柱、いか、こはだなどを衣につけて油で揚げて、串に刺して売っていたんだとか。

天ぷらは火と油を使うことから火災の心配があり、屋内のお店ではなく、ほとんどが屋台のお店で出されていたそうだよ。

うなぎ屋

うなぎの蒲焼きは江戸の庶民に人気があったんだけど、料理屋さんで出されているだけじゃなく、屋台でも1串いくらでよく売られていたんだって。

料理屋さんよりも屋台は安く売られていたので、庶民は屋台で気軽に食べていたけど、次第にうなぎの蒲焼きのどんぶりが料理屋で出されるようになり、庶民の食べ物から高級品になっていったそうだよ。

江戸時代のうなぎの蒲焼きは上方と江戸で調理法が違っていたんだけど、今でも関西と関東で焼き方が違うのは有名な話だよね~。

寿司屋

お寿司は、江戸時代の中期には上方の「箱寿司(押し寿司)」しかなかったんだって。

でも江戸時代後期に江戸で誕生した「握りずし」が広まりだすと料理屋でも出されるようになり、そのうちに屋台などでも食べられるようになったことで、江戸の庶民が気軽に食べられる料理になったそうだよ。

江戸時代後期に食べられていた握りずしのネタは、えびや鯛、きす、こはだ、穴子、まぐろ、赤貝、玉子などなど。

また、今でもよく食べられるしょうがの甘酢漬け「ガリ」も江戸時代からあって、ガリと一緒に握りずしを食べていたそうだよ!

まとめ

  1. 江戸時代中期の庶民は白米をたくさん食べていた
  2. 江戸時代後期になると庶民の食卓に並ぶおかずの種類が増えた
  3. 江戸時代には屋台やお店で外食できるところも多かった