江戸時代の居酒屋ではどんなおつまみがあった?江戸の「飲み会」事情を調べてみた!

江戸時代の居酒屋ではどんなおつまみがあった?画像はイメージ

今の居酒屋さんのようなものができたのは江戸時代と言われてるけど、江戸時代の居酒屋さんってどんなお店だったんだろう?

昔の人はどんなお酒を飲んで、どんなおつまみを食べてたのか、ちょっと気になるよね~。

そこで今回は、江戸時代にタイムスリップ!

江戸時代の居酒屋さんで出されていたメニューや、飲んでいる人の雰囲気など色々紹介していくよ~。

酒屋さんから発展した?「居酒屋」誕生の起源とは?

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「居酒屋」という言葉は江戸時代から使われ始めたそうなんだけど、なんで「居酒屋」って言うのか、気になるよね~。

江戸時代で居酒屋がどうやって誕生したのか、居酒屋の起源を紹介していくよ。

江戸時代初期はお酒を買って自宅で飲んでいた

江戸時代の始めごろは、お酒はお店で飲むのではなく、酒屋さんでお酒を買って自宅で飲んでいたんだって。

酒屋さんで大きな徳利にお酒を注いでもらう形の「量り売り」で、お酒を買っていたという記録が残っているよ。

江戸時代には早くから酒屋さんがあったそうで、その数は江戸時代の中期に入るとどんどん増えていったそうな。

お酒は今も昔も庶民から人気があったんだねぇ。

酒屋さんの店頭で飲み始めたのが「居酒屋」の始まり

江戸時代初期には量り売りで売っていた酒屋さんだけど、そのうちに買ったお酒を店頭で飲み始めるお客さんがでてきたんだって。

酒屋さんも、美味しいお酒が入ったら試飲なんかもさせていたようで、酒屋さんと話が弾むうちにその場でなんとなくお酒を飲みだしたのかもしれないね。

お客さんが酒屋さんに居座ってお酒を飲み続けるということから「居酒屋」という言葉ができたんだそうな。

居酒屋が料理屋さんからではなく、お酒の販売店から生まれたというのは意外だよね~。

江戸時代の居酒屋さんってどんなお店だった?

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江戸時代に酒屋さんの店頭から始まった居酒屋だけど、最初のころはとても簡易的なスタイルで飲ませていたみたい。

江戸時代の居酒屋さんはどんなお店だったのか、確認してみよう!

最初は立ち飲みスタイルだった

酒屋さんの店頭で飲み始めるスタイルから始まった居酒屋は、当然ながら最初はみんな立ち飲みで飲んでいたそうな。

酒屋さんもそんな立ち飲み客のために「居酒致し候」などの看板を店先にかけて、小量のお酒を販売するようになり、酒屋さんの店頭での立ち飲みスタイルが定着していったみたい。

でも初期のころは料理などのあてもなく、ただお酒をひたすら飲んでいただけだったみたいだね。

江戸時代後期には今の居酒屋さんに近いスタイルが確立

江戸時代の初期にはもっぱら「立ち飲み」で、おつまみもなかった居酒屋さんだけど、だんだんお酒とともに簡単なおつまみを出す「煮売り居酒屋」が登場しはじめたんだって。

今も東京都千代田区にお店がある「豊島屋」では、当時お酒とともに「田楽」をだして大盛況だったそうな。

そのうち、立ち飲みではなく、店先に酒樽なんかを置いて軽く腰掛けられるようになり、テーブルのようなものが作られて、今の居酒屋さんに近いスタイルになっていったんだって。

江戸時代の居酒屋さんで注文できる料理はどんなもの?

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では、江戸時代の居酒屋さんでは、お酒と一緒にどんなおつまみを食べていたのか、ちょっと気になるよね。

江戸時代の居酒屋さんで出されていた料理をいくつか紹介していくよ~。

田楽

居酒屋さんではじめによく食べられていたのが「味噌田楽」。

味噌田楽は、豆腐に串を刺してお味噌を塗った後に焼いた料理のことで、今でも田楽が好きだという人もいるんじゃない?

当時はお酒のおつまみとしてとても安く出されていたので、人気があったんだそうな。

味噌田楽を片手に持って、お酒を飲みながら手軽に食べられるというのも、人気の理由かもしれないね~。

湯豆腐

江戸時代の初期は、豆腐は「贅沢品」として庶民が食べることを禁止されていたけど、中期になると江戸や京都・大阪といった都市部では一般的に食べられるようになったそうな。

湯豆腐もその頃から居酒屋さんで出されていて、つけ汁はしょうゆとかつお節、薬味にはネギや唐辛子などが使われていたんだって。

ゆでダコ

たこは江戸時代には好まれてよく食されていて、居酒屋さんでも店頭に吊り下げられるなどしてたんだそうな。

たこは主にゆでたり煮つけにしたりして食べられていたようで「江戸名所百人美女」という浮世絵集では、女性がたこをあてにお酒を飲んでいる浮世絵が残っているよ。

女性が好きなものとして「いも・たこ・なんきん」とはよく言うけど、女性は江戸時代からたこが好きだったのかもね~。

芋の煮物

江戸時代、芋の煮物は庶民の食べ物だったので、多くの居酒屋さんでおつまみとして出されていたらしい。

芋の煮物は当時は「煮ころばし」と呼ばれていて、芋の煮ころがしを売りにした酒屋さんもあるぐらい、よくお酒のあてに食べられていたんだって。

どじょう汁

どじょうは今ではあまり家庭で食べるものではないけど、江戸時代、特に江戸の町民には広く食べられていたそうだよ。

居酒屋さんでも、どんぶりご飯にどじょうの入った汁をかけた「どじょう汁」が出されていて、当時の江戸っ子たちがさらさらっと食べていたんだって。

ふぐ汁

ふぐには毒があることで知られているけど、江戸時代にもそれは知られていて、ふぐを食べることが当時は禁じられていたそうな。

特に幕府は武士がふぐを食べることを厳しく禁じていて、違反した場合は厳罰に処せられることもあったらしいよ。

ただ、庶民は例外で、美味しいふぐをこっそりとみんな食べていたんだって。

居酒屋のメニューにも「ふぐ汁」などがあり、あたったら怖いとは分かっていても、食べずにいられないというほど当時から美味しかったんだね~。

まぐろ料理

まぐろは江戸時代にはとても値段が安く、庶民の食べ物として知られていたんだって。
そのため、居酒屋さんでもまぐろ料理がよく出されていて、まぐろの煮つけや刺身としてもだされていたんだって。

ただ、今や高級部位として人気のあるトロの部分は、江戸時代では保存がきかないということですべて捨てられていたって言うから、もったいない話だよね~。

おでん

おでんは、実は江戸時代の初期の居酒屋さんで人気があった、豆腐田楽にルーツがあるそうな。

「おでん」という名前も、この「田楽」からきているんだって。

豆腐田楽が登場したあと、こんにゃくに串を刺してみそをつける「こんにゃく田楽」も登場し、その後串に刺したこんにゃくを煮た料理などが登場。

その後、醤油の醸造が盛んになるにつれ、煮込み料理としての「おでん」に発展していったんだとか。

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江戸時代の居酒屋さんで飲めるお酒の種類とは?

江戸時代の居酒屋さんで飲めるお酒の種類とは?画像はイメージ

江戸時代の居酒屋さんで食べられるおつまみについては分かったけど、じゃあ肝心のお酒はどんなものを飲んでいたのか?

江戸時代の人たちが飲んでいたお酒は、主に清酒や日本酒、また焼酎なんかも飲んでいたらしいよ。

ただ、冷やで飲むということはなく、一年中熱燗で飲んでいたそうな。

江戸時代の人たちはとにかくお酒が好きで、朝起きて飲み、昼にも飲み、夜にも飲むといったことも珍しくなくて、仕事中でも関係なくお酒を飲んでいたんだって。

ただ、当時のお酒は水割りで飲むのが一般的で、アルコール度数も5%程度だったらしいから、意外とたくさん飲めたのかもしれないね。

江戸時代の人は酒豪?!「酒合戦」で盛り上がった!

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江戸時代の人はとにかくお酒が好き!ということは記録にも残っていて、当時はどれだけお酒を飲めるかを勝負する「酒合戦」がとにかく盛り上がったそうな。

寛文7年(1667年)に出された酒合戦記「水鳥記(すいちょうき)」は、有名な絵師、菱川師宣が挿絵を描いたことでも有名で、この水鳥記は当時の「ベストセラー」になったほど人気があったんだって。

水鳥記の元になったのは、地黄坊樽次(じおうぼうたるつぐ)と大蛇丸底深(おろちまるそこぶか)の二人の酒合戦で、この酒合戦で使われた盃には、なんと七号ものお酒が入る大盃が使われたそうな。

とにかく江戸時代の人は、たくさんお酒を飲んで盛り上がるのが大好きだったんだね~。

まとめ

  • 江戸時代初期の居酒屋は立ち飲みスタイルだった
  • 江戸時代の居酒屋では田楽や芋の煮ころがしなどが出されていた
  • 江戸時代は朝も昼も夜も関係なくお酒を飲んでいた