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10月23日は「津軽弁の日」って、みんな知ってる~?
「どうして10月23日が津軽弁の日?」「そもそも津軽弁って、どこの方言?」と、疑問に思うよね?
そこで今回は、「津軽弁の日」とは一体なんなのか、呪文みたいに難しいといわれる津軽弁について、例文をあげながらわかりやすく解説していくよ~。
これでアナタも「津軽弁マスター」になれるかも?
「津軽弁の日」ってなに?10月23日の理由は?
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「津軽弁の日」というのは、マルチタレントである伊奈かっぺい氏を中心に活動している「津軽弁の日やるべし会」が、1988年に定めた日なんだ。
10月23日は、津軽弁を使った詩を確立した詩人「高木恭造」の命日で、高木恭三の命日を津軽弁で賑やかに過ごそうと始まったのが「津軽弁の日」というわけ。
「津軽弁の日」のイベントもある
津軽弁の日は毎年、青森市文化会館で津軽弁をテーマとしたイベントが開催されるよ。
津軽弁に関する短歌や俳句、体験記、詩を一般の人たちから募集して、優秀作品に輝くと、その作品を、マルチタレントの伊奈かっぺい氏が会場で朗読するんだって。
津軽弁がテーマというだけに、青森県民からの応募が多そうなイメージだけど、実は青森以外の他県からもたくさんの作品が集まるんだとか。
そしてそのとき開催されるイベントの様子が後日、テレビやラジオで放送されて、カセットやCDまで発売されるそう。
そのほか、SNSでも津軽弁による投稿で盛り上がるだって。
そもそも津軽弁ってどこの方言?
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「そもそも津軽弁ってどこの方言になるの?」と思っている人も多いんじゃないかな?
青森県の西部にある津軽地方で話されている方言が津軽弁なわけだけど、実は青森県の方言って「津軽弁」だけではないみたい。
津軽弁は主に津軽地方で使われる方言で、そのほか「南部弁」「下北弁」などエリアごとに違った方言があるんだよ~。
しかも、青森県の方言なのに、地域によっては青森県に住んでる人でも全く通じない言葉もたくさんあるんだって。
津軽弁が「難解」だといわれている理由にせまる!
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旅行などで青森県を訪れたときに、津軽弁を耳にしたことがある人ならわかると思うけど、津軽弁は、「フランス語?」と思うくらい聞き取りにくいのが特徴。
「日本一聞き取りにくい方言」ともいわれていて、理解するのが難しいんだとか。
なぜこんなに、津軽弁が聞き取りにくいのか気になるよね。
津軽弁が「難解」だといわれる理由を見てみよう!
津軽弁は「短い」
まず、津軽弁が「難解」だといわれる理由の一つにあげられるのが、津軽弁は「短い」ということ。
津軽弁ではいろんな言葉を1文字で表すんだ。例を見てみよう!
- 「食べてください」 → け
- 「はいどうぞ」 → か
- 「おいしい」 → め
「1文字で表すなんて、短すぎなんじゃない?」と思う人もたくさんいるよね。
なぜこんなに短い言葉で表現するのかというと、青森は大雪が降るほど寒い地方だからという説があるよ。
青森の大雪が降る季節は、外にいると目を開けておくことすら困難な状態で、その中で会話するときには、口数を少しでも少なくしたいという、住民たちの工夫から短い言葉で表現するようになったみたい。
マイナス50℃で極寒の地といわれるロシアでも、「シャ」や「シュ」などの、短い言葉を頻繁に使っているみたい。
厳しい寒さの中で、みんなで工夫をしながら会話を成立させているんだね。
「け」だけでたくさんの意味がある
さらにビックリするのが、さっき紹介した「食べてください」という意味を持つ「け」という1文字の言葉には、他にもたくさんの意味があるみたい。
例えば「け」という言葉の意味はこんなにあるんだよ~。
これはほんの一部で、全部で12個の意味を持つんだって。
現地の人でも聞き分けるのが難しいといわれる理由が、なんとなくわかるよね!
単語の意味がわからない
そもそも津軽弁の単語の意味がわからないという点も、津軽弁が難しいと思われてしまう理由の一つだよ。
例えば、「あげた」「じゃんぼ」「じゃいご」などなど。
「あげた」は上あご、「じゃんぼ」は髪の毛、「じゃいご」は田舎のことなんだけど、意味がわからないという人がほとんどなんじゃないかな?
その中でも、比較的わかりやすい単語が「古語」といわれているよ。
例えば、「わらし」という単語。
これは、子どもの姿をした霊である、座敷童(ざしきわらし)に使われている「わらし」の部分で、つまり「子ども」という意味があるんだけど、古語で子どもは「わらわ」と呼ばれるんだって。
そこから「わらはんど」は、津軽弁で子どもたちという意味になるんだ。
こんな風に、津軽弁の方言は、古語がなまって現在も使われているみたい。
発音がはっきりしない
発音がはっきりしないのも、津軽弁の意味がわかりにくいといわれる理由の一つ。
特に「い」と「う」や、「し」と「す」、「ち」と「つ」などの発音の聞き取りが難しいといわれているよ。
これは、口をあんまり開かずに話すことが原因みたい。
しかもフランス語と間違われるだけあって、外国語をしゃべるときは発音に有利になるっていうから不思議!
「難解」「呪文」な津軽弁を学んでみよう!
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次は、難しいといわれる津軽弁を学んでみよう!
とにかく短い単語のやり取りから、呪文のような津軽弁のセリフまで紹介するので、どのくらい理解できるか、みんなも試してみてね~!
その①「とにかく短いやり取り」
まずは、津軽弁での会話だよ。
どんな内容の話をしているのか、見てみよう!
- A「どさ」
- B「ゆさ」
- A「だぃと?」
- B「な」
- A「わ!?」
全部の会話の単語が1~3文字しかないけど、この会話は、青森県ではよく使われるメジャーなフレーズで、津軽弁ではバッチリ会話が成立しているよ。
これを標準語にしみると、こういう意味になるよ~。
- A どこ行くの?(どさ)
- B お風呂(ゆさ)
- A だれと?(だぃと?)
- B お前(な)
- A 俺と!?(わ!?)
一つずつ解説していくね。
まず、「どさ」という単語には2つの意味が隠れていて、「ど」は、どこに?という意味、「さ」は方向を表しているよ。
つまり、「どさ」という単語は「どこ行くの?」という、質問というわけ。
その答えで、Bさんは「ゆさ」と答えているけど、「ゆさ」の「ゆ」はお風呂や温泉のこと、「さ」は方向を表すから、「お風呂(温泉)に行く」という意味になるんだよ。
その後の会話の「だぃと?」は「だれと?」、「な」は「お前」、「わ」には「わたし(お前)」っていう意味があるんだよ~。
一つの言葉が極めて短いのが津軽弁の特徴。青森に訪れたときには、よく耳を傾けてみよう。
今回紹介した言葉が、隠れているかもしれないよ!
その②「さしねぐすれば、しからえるねろ」
次は、面白い津軽弁での言葉で「さしねぐすれば、しからえるねろ」というセリフがあるけど、これは「うるさくすると、怒られるよ」という意味。
「さしね」はうるさい、「しかる」は怒るという意味が込められているよ。「しかる」は青森以外でも使う言葉だから、理解できた人も多いんじゃないかな?
この単語を文章にすることによって、語尾が変化して「さしねぐすれば、しからえるねろ」というセリフになるというわけ。
単語の意味は理解できも、語尾が変化することで一気に難易度が高くなるよ。
その③「せばだばまいねびょん」
今度は、「せばだばまいねびょん」というセリフを見てみよう。
この意味は「それじゃーダメだよね」という、いろんなシーンで使われる津軽弁だよ。
まず「せばだば」は、それじゃーという意味の、日常でよく使われる言葉。
例えば、「それじゃー買い物に行こう!」というときにも「せばだば」という言葉が使われているよ。
そして「まいね」には、だめという意味があって、「びょん」には、だよねという意味があるよ~。
その④「なんぼこのゆあずましいなぁ」
次は、「なんぼこのゆあずましいなぁ」という津軽弁。この言葉には「なんてこの湯きもちいいな~」という意味があるんだよ。
「なんぼ」という言葉には、とてもという意味があって、「ゆ」は、温泉やお風呂を表すよ。
そして、「あずましい」は気持ちいいとか、心地いいとか、落ち着くといった意味で使われる言葉。
特に、「家はあずましい」という言葉は、家は落ち着くという意味で、津軽弁ではよく使われているよ~。
その⑤「わのわらはんど、なんぼおめだぢさめやぐかげ」
最後に紹介する津軽弁は、「わのわらはんど、なんぼおめだぢさめやぐかげ」。
これは、「わたしの子どもたち、すごくあなたたちにご迷惑おかけしました」という意味だよ。
「わ」という1文字の単語は「わたし」、「なんぼ」はとても、「おめだち」はあなたたち、「めやぐ」は迷惑という意味を表す言葉。
全ての言葉がひらがなであるうえに、濁音がまざってすごく難しいよね。
この難語を理解できるようになれれば、あなたも津軽弁マスターだよ!
まとめ
- 津軽弁の日は、伊奈かっぺいを中心に活動している「津軽弁の日やるべし会」が、1988年に定めた日
- 青森には「津軽弁」以外にも「南部弁」「下北弁」の方言がある
- 津軽弁は短い単語1文字でもいろいろな意味を持つ