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お酒が飲めるお店のことを「居酒屋さん」って普段から意識せずに使っているけど、そもそも「居酒屋」って日本にいつからあるのか知ってる?
日本に「居酒屋さん」が誕生したのはいつなのか、また初期の居酒屋さんってどんな感じだったのか、知っておくと皆に自慢できるかも!
今回は、みんなに親しまれている「居酒屋」の歴史について、ひもといていくよ~。
そもそも「居酒屋」の語源ってなに?
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そもそも、なんでお酒を飲むお店を「居酒屋」って呼ぶようになったのか、その語源が気になるよね。
居酒屋の語源は、どうやら江戸時代にあるみたい。
江戸時代の初期は、お酒を酒屋さんで買って自宅で飲むのが普通だったのに、中期になると酒屋さんの店頭で買ったお酒を飲むようになり、酒屋の店員さんと話をしたり、他の常連客さんと話し込んだりして、お客さんがなかなか帰らないようになったんだって。
「酒屋さんに居続けて飲む」ということから、居酒屋と呼ばれるようになったとか。
ずっとお客さんが帰らないなんて、酒屋さんも対応が大変だっただろうね~。
居酒屋さんのようなものは平安時代にもあった?!
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今の「居酒屋」に近いものは江戸時代に確立されたようなんだけど、実はもっと昔、平安時代にもそれらしきものがあったという記録があるんだ。
平安時代初期に編纂された「続日本紀」によると、奈良時代の天平宝字5年(761年)に、葦原王が酒に酔って事件を起こしたという記録がり、さらにそこには、葦原王が「酒肆(しゅし)」で飲んでいた、という記述もあるらしい。
酒肆(しゅし)というのは、お酒を売っているお店や、お酒を飲ませるお店のことだよ。
そもそもお酒はとても貴重なものでしかも高かったかし、「魚酒禁令」なんて法律も出されていたから、庶民はお酒を飲めなかったんだって。
代わりに、酒粕をお湯で溶いたものを飲んでたんだってよ。ビックリ!
でもそのうち、庶民の間でお酒造りが行われるようになって、貴族じゃなくてお酒が飲めるようになったんだ。
その結果、居酒屋っぽいのができていったみたい。
今の居酒屋に近いスタイルができたのは江戸時代!
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平安時代にもお酒を飲めるらしきお店があった記述は残っているけど、現在の居酒屋のスタイルが確立されたのは江戸時代のこと。
江戸時代ではどんな形で今の居酒屋さんのスタイルが確立されていったのか、確認していこう!
最初はお酒は量り売りだった
最初にもちょっと紹介していたけど、江戸時代の初期にはお酒は酒屋さんで買って自宅で飲むものだったんだって。
大きな徳利にお酒を注いでもらって、そのまま徳利を自宅に持って帰って飲んだそうな。
時代劇なんかで、瓶を持ってお酒を買いに行くシーンとか、見たことある人もいるんじゃないかな?
江戸時代初期に出版された「人倫訓蒙図彙(じんりんきんもうずい)・第四巻・商人部」には、当時の酒屋さんのイラストが描かれていて、酒屋さんがおつかいにきた子供と思われる子の徳利にお酒を注いでいるイラストが掲載されているよ。
こんな風に、江戸時代の初期には量り売りでお酒は販売されていたんだね~。
酒屋さんで立ち飲みができるように
江戸時代の中期になると、酒屋さんで買ったお酒を自宅に持ち帰らず、そのままそこで飲む人たちが増え、常連さんたちでそのまま帰らずに飲み続けるようになったんだって。
これが「居酒屋」の語源になったことは先に紹介した通り。
酒屋さんもそんなお客さんが増えたことで、お店でちょっと飲みができる少量のお酒の販売を始め、簡易的な台座なんかも置くようなお店が増えて、いつのまにか酒屋さんが「お酒を買ってそこで飲めるお店」になっていったんだって。
酒屋だけでなく酒を出す料理屋も登場
酒屋さんでお酒が飲めるようになると、お酒と一緒にちょっとした食べ物を出すお店も登場したんだって。
お酒を飲んだら「あてが欲しい」っていうお客さんがでてきそうなのは想像できるよね~。
有名なのは、今でも続く東京の「豊島屋」さん。
江戸時代からあった豊島屋では、店先でお酒と一緒に「豆腐田楽」を安く販売して、かなり大繁盛していたという記録が残っているよ。
豊島屋は今の日本の居酒屋の「ルーツ」と言われているそうな。
その後、色々な料理を出すようなお店が増え、机と座卓があってじっくり座って飲める今の居酒屋のスタイルが確立されていったんだって。
酒屋さんだけでなくお茶屋さんもお酒とおかずを出すようになって、江戸時代の後期にはお酒を飲んでご飯が食べられるお店がなんと1,000を超えるぐらいあったらしいよ~。
明治時代は洋風の居酒屋やビアホールも誕生!
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明治時代に入ると、文明開化とともに西洋風のお店が増え、外国のお酒も日本に持ち込まれるようになったよ。
その代表的なのが「ビール」。
ビールは最初は西洋料理店や当時増えていた牛鍋屋などで提供されていたけど、とても高級品で一般市民が飲めるものではなかったそうな。
しかしそのうちビールが少量で安く販売されるようになり、「ビアホール」も登場して、一気にビールが日本でも手軽に楽しめるものとして広まっていったんだって。
1960年代に居酒屋のチェーン店ができ始める
昭和に入ってからも居酒屋さんはたくさんの数があったけど、ほとんどのお店が個人経営だったよ。
それが、一部のお店でアメリカのフランチャイズ方式を導入して「チェーン店」として営業を始めたのが今の居酒屋チェーンの始まり。
1950年後半からチェーン店化をする居酒屋が登場し始め、1960年にはチェーン展開の居酒屋さんの数がどんどん増えていったよ。
1980年代で居酒屋のチェーン店が大ブームに!
1980年代になると、まさに居酒屋チェーン店が大ブーム!
会社帰りや学生などが行くなら「チェーンの居酒屋」というスタイルが流行していったよ。
1970年代には女性がなかなか行きにくいイメージだった居酒屋が、女性でも行きやすいお店へと変化していったのもこの頃。
居酒屋さんで焼酎やビールだけでなく、おしゃれなカクテルなども取り扱うようになり、一気に若い女性客でも利用しやすいお店になっていったよ。
様々なスタイルの居酒屋が登場して幅広い用途に使えるように!
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1980年代で一気に広まったチェーン店だけど、90年代以降はそれだけでなく、もっと専門的な料理をだすお店なども登場。
鶏料理の専門店やアジア料理系といった、一定のジャンルに特化した居酒屋などもたくさん増えていったよ。
座席のスタイルもテーブル席だけでなく個性的な個室のお店もたくさん増えて、今では子供から高齢者まで「家族で行ける」居酒屋に変化しているよ!
まとめ
- 江戸時代後期に今の居酒屋さんのようなお店が登場した
- 明治時代にはビアホールも登場してビールが広まった
- 1960年代に居酒屋のチェーン店が登場
- 1980年代に居酒屋のチェーン店がブームに