じめじめした暑さが続く日本の夏。8月になると、なんだか体がだるくて食欲が湧かない…なんて感じている人も多いのではないでしょうか。いわゆる「夏バテ」は、体にとって大きな負担となります。
「食べないといけないのはわかっているけれど、何を食べたらいいかわからない」
そんなあなたのために、今回は食欲がなくてもするっと食べられる、夏バテに効くさっぱりメニューをご紹介します。しっかり栄養を摂って、残暑を元気に乗り切りましょう!
1. 夏バテで食欲がないのはなぜ?
夏バテの主な原因は、暑さによる自律神経の乱れ、大量の汗による水分やミネナルの不足、そして冷房の使いすぎによる体温調節機能の低下などが挙げられます。
特に食欲不振は、自律神経の乱れと深い関わりがあります。暑さで体温が上がると、体は汗をかいて熱を放出しようとします。この体温調節をコントロールしているのが自律神経です。
しかし、炎天下と冷房の効いた室内を頻繁に行き来すると、自律神経がその急激な温度変化に対応しきれなくなり、働きが乱れてしまいます。すると、胃腸の働きも鈍くなり、食欲がなくなったり、消化不良を起こしたりするのです。
2. 8月の食卓を彩る!さっぱり主菜レシピ3選
食欲がないからといって、麺類やパンだけで済ませてしまうのはNG。タンパク質をしっかり摂ることが、体力を維持する上でとても大切です。ここでは、食欲がなくても食べやすい、さっぱりとした主菜レシピを3つご紹介します。
レシピ1:鶏むね肉と夏野菜のさっぱりポン酢炒め
鶏むね肉は高タンパクで低脂質。疲労回復に役立つイミダゾールジペプチドも豊富です。
材料(2人分)
- 鶏むね肉:1枚
- ズッキーニ:1本
- パプリカ(赤):1/2個
- ポン酢:大さじ3
- ごま油:大さじ1
- おろしにんにく:小さじ1
- 片栗粉:大さじ1
作り方
- 鶏むね肉は一口大に切り、片栗粉をまぶす。
- ズッキーニ、パプリカは一口大に切る。
- フライパンにごま油とおろしにんにくを熱し、鶏むね肉を炒める。
- 肉の色が変わったら、ズッキーニとパプリカを加えてさらに炒める。
- 全体に火が通ったらポン酢を回し入れ、さっと絡めて完成。
レシピ2:豚しゃぶの梅しそ冷やしうどん
ビタミンB1が豊富な豚肉は、糖質をエネルギーに変える働きを助け、疲労回復に効果的です。梅としその香りで食欲が刺激されます。
材料(1人分)
- 冷凍うどん:1玉
- 豚バラ薄切り肉:100g
- 大葉:5枚
- きゅうり:1/2本
- 梅干し:1個
- めんつゆ(ストレート):適量
作り方
- 豚肉は沸騰したお湯でさっと茹で、冷水で冷やす。
- うどんは表示通りに茹で、冷水でしめる。
- きゅうりは千切り、大葉は千切り、梅干しは種を取って叩く。
- 器にうどん、豚肉、きゅうりを盛り付け、大葉と叩いた梅干しを乗せる。
- めんつゆをかけて完成。
レシピ3:ふわふわ豆腐ハンバーグのおろしがけ
肉と豆腐を混ぜることで、ふんわりと軽い食感になり、胃に負担がかかりません。大根おろしと生姜でさっぱりといただけます。
材料(2人分)
- 合いびき肉:150g
- 木綿豆腐:150g
- 玉ねぎ:1/4個
- 大根:5cm
- 生姜:1かけ
- 片栗粉:大さじ2
- 醤油、みりん、酒:各大さじ1
作り方
- 豆腐はキッチンペーパーで包んでしっかりと水気を切る。
- 玉ねぎはみじん切りにし、耐熱皿に入れて電子レンジ(600W)で1分加熱する。
- ボウルに合いびき肉、水気を切った豆腐、玉ねぎ、片栗粉を入れ、よく混ぜて成形する。
- フライパンで両面に焼き色をつけたら、蓋をして中まで火を通す。
- 大根と生姜はおろす。フライパンに醤油、みりん、酒を加えて煮詰める。
- ハンバーグを皿に盛り付け、タレをかけ、大根おろしを添えて完成。
3. もう一品に困らない!ひんやり副菜と汁物
主菜に加えて、さっぱりとした副菜と温かい汁物を組み合わせると、さらにバランスの良い食事になります。
副菜1:きゅうりとワカメの酢の物
定番の酢の物は、お酢のクエン酸が疲労回復を助けます。
作り方
- きゅうりを薄切りにして塩もみし、水気を絞る。
- 水で戻したワカメときゅうりを、砂糖、醤油、酢を合わせた三杯酢で和える。
副菜2:トマトとアボカドのレモン和え
ビタミンCが豊富なトマトと、栄養満点アボカドを組み合わせます。
作り方
- トマトとアボカドを一口大に切る。
- オリーブオイル、レモン汁、塩コショウで和える。
汁物:冷たいきのこと豆腐のお味噌汁
冷たい味噌汁は食欲がないときでも飲みやすいです。
作り方
- だし汁に、しめじやえのきを加えて煮る。
- 火を止めて味噌を溶き、冷やす。
- 食べる直前に豆腐を加えていただく。
4. デザートでエネルギーチャージ!食欲をそそる冷んやりスイーツ
食事をたくさん食べられないときは、デザートでエネルギーを補給するのも一つの手です。
デザート1:とろける杏仁豆腐
なめらかな口当たりで、つるんと食べられます。
作り方
- 牛乳、砂糖、杏仁霜、ゼラチンを混ぜて溶かし、型に流して冷やす。
- お好みでフルーツを添える。
デザート2:フルーツたっぷりヨーグルトアイス
凍らせたヨーグルトは、まるでシャーベットのよう。
作り方
- プレーンヨーグルトに、はちみつと一口大に切ったキウイや桃を混ぜる。
- 製氷皿に入れて凍らせる。
5. 夏バテ予防におすすめの食材と賢い食べ方
毎日の食事に取り入れたい、夏バテに効果的な食材と食べ方をご紹介します。
おすすめの食材
- ビタミンB群:豚肉、うなぎ、大豆製品など。糖質をエネルギーに変え、疲労回復に役立ちます。
- クエン酸:梅干し、レモン、お酢など。疲労物質の分解を助けます。
- カリウム:きゅうり、スイカ、トマトなど。汗で失われやすいミネラルを補給します。
- タンパク質:鶏むね肉、豆腐、卵など。体力維持に不可欠です。
賢い食べ方
- 冷たいものばかり摂らない:冷たい飲み物や食べ物は胃腸を冷やし、消化機能をさらに低下させます。冷たいものばかりではなく、温かい汁物も摂るように心がけましょう。
- 香りを活用する:梅、しそ、みょうが、生姜、にんにくなどの香りの強い食材は、食欲を増進させる効果があります。
- 小分けにして食べる:一度にたくさん食べられない場合は、食事を3食にこだわらず、4〜5回に分けて少しずつ摂るようにするのも良いでしょう。
6. まとめ
夏バテで食欲がないときは、無理して食べる必要はありません。今回ご紹介したように、さっぱりとしていて、かつ栄養価の高い食材を選び、少しずつでも良いので口にするように心がけてみてください。
「食べられるものを、食べられるときに、食べられる量だけ」
この3つの「食べられる」を意識して、食事を楽しんでみましょう。無理のない範囲で、しっかり栄養補給をして、夏の終わりまで元気に過ごしましょう!