残暑の中、お酒からひと足早い秋を
9月を迎えても、まだまだ残暑が厳しい日が続きます。まだまだ冷たいビールやハイボールがおいしく感じられる方も多いかと思いますが、少しずつ近づく秋を「お酒」から感じてみるのも、この時期ならではの楽しみ方です。
そんな秋の始まりに知っておきたいのが、「菊酒(きくざけ)」です。
菊酒は、日本酒に食用菊の花びらを浮かべたり、菊の香りを移したりして楽しむお酒のこと。古くから9月の「重陽の節句」に飲まれてきました。
今回は、秋を感じさせる菊酒について、その由来や歴史を簡単にご紹介します。
菊酒とは?菊と日本酒を楽しむ秋のお酒
菊酒とは、その名の通り「菊」と「日本酒」を組み合わせて楽しむお酒です。
楽しみ方にはいくつかあり、日本酒を入れた杯に食用菊の花びらを浮かべる方法のほか、菊の香りを日本酒に移して味わう方法などがあります。
見た目にも美しく、菊の花が浮かぶ杯からは秋らしい風情を感じられます。
9月9日の「重陽の節句」と菊酒の関係
菊酒と深い関係があるのが、9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」です。
重陽の節句は、桃の節句や端午の節句などと同じく、季節の節目を大切にする日本の行事のひとつ。「菊の節句」とも呼ばれ、古くから長寿や健康を願う日として親しまれてきました。
その重陽の節句に欠かせないもののひとつが菊です。
菊の花を眺めたり、食用菊を使った菊酒を飲んだりしながら、健康や長生きを願う。そんな風習が、秋の行事として受け継がれてきました。
菊酒はどこから始まった?
重陽の節句は、もともと中国から伝わった風習とされています。中国では古くから菊は長寿につながる花と考えられ、菊を使ったお酒を飲む習慣がありました。
その文化が日本にも伝わり、平安時代には宮中で重陽の節句が行われるようになります。
時代とともに人々の間にも広まり、江戸時代には重陽の節句が大切な年中行事のひとつとして親しまれるようになりました。
今ではあまり耳にする機会がないかもしれませんが、菊酒には、千年以上前から続く重陽の節句の文化が息づいています。
菊酒と秋の味覚を一緒に楽しむ
菊酒について知ったら、秋の料理と一緒に日本酒を楽しんでみるのもおすすめです。
9月ごろからは、きのこや秋茄子、魚など、秋らしい食材が少しずつ登場します。香ばしく焼いた魚やきのこ料理などは、日本酒とも合わせやすい料理です。
残暑が続く時期なら、冷たい日本酒とさっぱりとした料理を合わせるのもいいでしょう。
季節の料理とお酒を囲みながら、「もうすぐ秋だね」と話す時間もまた、居酒屋ならではの楽しみです。
菊酒を知って、お酒から秋を感じてみませんか
まだ暑さが残る9月。それでも、食材や草花など、身近なところでは少しずつ秋への移り変わりが始まっています。
9月9日の重陽の節句に親しまれてきた菊酒も、そんな季節の変化を感じられる日本の文化のひとつです。
菊酒の由来を知ってから日本酒を味わえば、いつもの一杯が少し特別に感じられるかもしれません。
残暑の夜は、居酒屋で秋の味覚と日本酒を楽しみながら、お酒からひと足早い秋の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。